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------------軍事板,2011/12/12(月)

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「朝目新聞」(2013/06/28)●日本史選択者が驚く世界史の常識

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「朝目新聞」(2013/07/22)●世界史の画像

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「カオスちゃんねる」◆(2012/02/18) 世界史における初期配置の重要さは異常

「カオスちゃんねる」◆(2013/04/03) 【閲覧注意】日本で起きた忘れ去られかけてる大事件を教えて下さい

「カオスちゃんねる」◆(2013/04/18) 面白い黒歴史のコピペ貼ってけ

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世界史上の人物をコーエー数値化するスレまとめ(他

世界史は妄想を超えて (2ch世界史板FAQ)

「電撃速報」:やる夫で学ぶ世界史

日本史板世界史板FAQ(相互リンク)

「ニュー速」:【歴史】ハプスブルク家,断絶の原因は「近親婚」による遺伝性疾患が原因か

「のとーりあす」:織田信長「ヒューマン五十年・・・」

「ハムスター速報」:戦争・兵器の歴史に関するトリビア

●アジア戦史

アジア歴史資料センター

内陸アジア史学会

ユーラシアを遊び,学ぶ(ブリヤート・モンゴル・テュルク)

『東アジア歴史教科書問題の構図 日本・中国・台湾・韓国,および在日朝鮮人学校』(菊池一隆著,法律文化社,2013/4/10)

●●日本史通史

「MURAJIの戯れ言so-net blog版」:(2009-12-28)やる夫鎌倉幕府第一部 終了

「カオスちゃんねる」◆(2011/11/06)日本史における不思議な出来事,奇談

家系図の倉庫

家紋World

家紋百景

行政歴史研究会
 徳川関係家系図の異様な充実ぶり.本家はもちろん,清和源氏系図,越前松平家まであるとは.
 他に各幕府の歴代将軍一覧や天皇在位一覧など.

近代日本軍事関係文献目録

源平倶楽部

膏盲記(信長・薩摩藩・幕末維新中心の歴史ブログ)

史華堂(室町時代)

事件史探求(昭和史以降)

つかはらの日本史工房

新はむはむの煩悩(相互リンク)

「新はむはむの煩悩」:くずし字辞典

源義経の部屋

     ●●●日本史通史>書籍

『オーラル・ヒストリー』(御厨貴著,中公新書,2002.4)

 副題は「現代史のための口述記録」

 第1章から,非常に興味深い議論が展開されている.
 当事者から情報を引き出すという行動には色々な性格付けがあり,マスコミなどが好む追及,議論型や,アメリカでヒストリアンを雇って 裁判の際の証言に役立てる予防型,日本の年史にみられる記念型などがある.
 著者の場合は,歴史家の検証に役立てるため,敢えて反論はせず,淡々と質問を積み重ね,その質問に対する相手の反応全体を保存する方式を取っている.
 いわば歴史法廷型と言えるだろう.

 ただ,個人的には若干の違和感も.

 ミクリヤさんは『社史』を,毒にも薬にもならない話しか載らない,非常につまらないものとして切り捨てているが,この意見は自分の専門を引き立たせるため偏りが感じられる.
 実際には当たり障り無い表現ながら,当事者ならではの視点から見た分析,実績などがさらっと書かれていることも少なくなく,その企業がある事件などでバッシングを受けているとすれば,それは静かな反論ではないかと考えられる.
 社史に関しては,むしろまだまだ未開拓の領域だと考える方が良い.

 同様に昭和時代以前は,記録を残すことに官僚たちが無関心で,高度経済成長の実態が分からなくなっているとも主張.
 私は高度経済成長時代の出来事を色々調べてきた経験上言うが,ちょっと極端じゃないかな.
 回顧録こそ量は減るかも知れないが,専門雑誌や業界新聞では,討論会なども企画されており,個別のインタビューもある.
 また,技術史の観点からは,当時どのような意図を込めて,その製品なりインフラを造ったかが,より細かい点まで触れられている.
 今では当たり前になっている法律,制度やスキームも同様.
 それを最初に作った時には,官僚個人の思想や省庁間の利害について,表に分かり易く示されていることが多い.

 ただ,この本での話も,私の感想も全て,軍事分野に置き換えても有用なものなので,戦記,証言系の本を漁って歴史を調べている方は,物の考え方を知る意味で必読.

 未開拓領域と言えば,上で示した当時の業界誌もそこに括られる.
 むしろ昭和時代の方が,率直な意見をぽんぽん出していると思われる事例も知っている.
 今の方がかえって,所属官庁のウェブサイトから抜粋しました的な状態とかね.
 どこの学会誌でもそういう,面白くない記事があるからなぁ.

 あれは会員にとっては,ニュースとして読むべき記事なんだろうけどさ.

――――――岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM : 軍事板,2011/09/10(土)
青文字:加筆改修部分
 ただし,岩見浩造なる人物の情報は,鵜呑みは避けたほうが賢明な模様.
 その信頼性についての考察は,こちらを参照されたし.

『気候で読み解く日本の歴史 異常気象との攻防1400年』(田家康著,日本経済新聞出版社,2013.7)

『近代戦争史図書目録45/95』(日外アソシエーツ,1996.7)
 戦後日本で刊行された,アメリカ独立戦争(1775〜1783年)以降の国際戦争・紛争・革命などについて書かれた戦史・戦記,軍事史など約5,600点を収録

『皇族軍人伝記集成 復刻』9〜(佐藤元英監修・解説,ゆまに書房,2012.2)

『真相謀反・反逆の日本史 歴史を動かした事件の真実』(晋遊舎,2012.4)

『瀬戸内造船業の攻防史』(寺岡寛著,信山社,2012/9/3)

『組織の興亡 日本陸軍の教訓』(三野正洋・日下公人著,ワック,2000)

 日本陸軍を批判した本だが爆笑の記述の数々.
 三野曰く,幕末に日本が植民地化されなかったのは,下関戦争や薩英戦争で英軍が膨大な犠牲者を出し,「日本を植民地化すれば多数の兵士が死ぬ」とビビッたからだそうです(苦笑
 アジアの中で西洋の船を撃退したのは日本だけだそうです(シャーマン号事件は?)
 しかも長篠の三段打ちも事実だと信じ込んでます.

 さらに三野のトンデモ批判炸裂.
 日露戦争でロシア軍を始め欧米列強の軍隊がヘルメットを採用してる(そうか?)のに,日本軍がヘルメットを装備していないことを取り上げ,「日本軍は人命軽視で無能だ」と批判.
 ヘルメットってWW1で採用されたんじゃ?(苦笑

 さらにまた,太平洋戦争で日本軍が防弾チョッキを採用しなかったことを「無能」と批判してます.
 三野によるとWW2で欧米列強は防弾チョッキを全兵士に採用していたそうです(大爆笑)
 他にも「ソンムで英軍が250台の戦車を投入した」とか.それってカンブレーじゃ?

------------軍事板,2002/02/22
青文字:加筆改修部分

『対比列伝 戦後人物像を再構築する』(粕谷一希著,新潮社,1982.12)

『騙しあいの戦争史』(吉田一彦,PHP新書,2003)

 書店で見かけたんで買ってみた.
 内容は,戦場や戦争における欺瞞工作やらの概説って感じ.
 過去の著作の「暗号戦争」を買った人も,暗号以外についても言及があるので,興味次第で買い.

------------軍事板,2003/03/15

『チェスト! とことん薩摩の歴史館』(竹下健一著,創年のパレット社,2012.5)

『天皇はなぜ生き残ったか』◆「海洋戦略研究」

『日本人はどのようにして軍隊をつくったのか 安全保障と技術の近代史』(荒木肇著,出窓社,2010/7/14)

■在野の軍事研究家

 この本を書かれたのは,メルマガ『海を渡った自衛隊 〜陸軍史あちらこちら〜』でおなじみの荒木肇先生です.
 本から略歴を引用します.

<荒木肇(あらき・はじめ)
 1951年東京生まれ.
 横浜国立大学教育学部教育学科卒業.
 横浜国立大学大学院修士課程(学校教育学専修)修了.
 日本近代教育史,国民教育と軍隊,日露戦後の教育改革と軍隊教育,大正期の陸軍幹部人事計画などを研究する.
 横浜市立小学校で勤務するかたわら,横浜市情報処理教育センター研究員,横浜市小学校理科研究会役員などを歴任.
 1983年退職.
 生涯教育センター常任理事,聖ケ丘教育福祉専門学校講師(教育原理)などを勤めながら,教育史の研究を続ける.
 近代陸軍は教育機関であり,国民のインデックスであることを主張し,陸上自衛隊との関係を深めてきた.
 主な著書に,『自衛隊という学校,正・続』,『学校で教えない自衛隊』,『指揮官は語る』,『自衛隊就職ガイド』,『学校で教えない日本陸軍と自衛隊』,『子供に嫌われる先生』(いずれも並木書房),『静かに語れ歴史教育』(出窓社)などがある.
 また,メールマガジン「海を渡った自衛隊 〜陸軍史あちらこちら〜」(週刊)も配信中.>

 荒木先生は,教員として仕事をされる以前の学生時代から,長きにわたって軍・自衛隊の研究を重ねてこられました.
 長い研究の蓄積と「学問」(学んで問うこと)の積み重ねを通じて得られた,「軍事への深い理解」があるからこそ,自衛隊,陸海空軍の教育,編制,用兵,歴史や兵器・武器への総合理解がすこぶる妥当で信頼性高く,読み手にひたりと迫ってきます.

 〔略〕

■どういう本?

 本著は,次に代表される「戦後日本の歴史の定説・常識」

・そんなに過去の日本人は戦争が好きだったのか?
・指導者たちは支那や半島をわがものにしようと考えていたのか?
・庶民は騙されて犠牲だけを払わされてきたのか?

に応えるために,次の構想と問題意識を通じて作られました.

 各時代の実態を,「国民の安保への考え方」「軍事を支えた技術」「思想を養う教育」の3つの面から見る中で,戦後日本でいわれてきた軍事にまつわる歴史上の定説・常識を鵜呑みにしてよいものかどうか考える.

 本著の特徴は,
「正確な軍事知識へのこだわり」
「現在の基準で過去を評価しないという,歴史に対する冷静かつ妥当な視座」
「歴史を生きた先達への敬愛」
「軍事教育,軍事技術をめぐる総合的で深い考察」
の4点です.

 印象は,
1.荒木肇先生のこれまでの執筆活動,研究の集大成
2.開闢以来初の「国民向けわが軍事史」の名に値する本
3.軍事理解のために必要な科学的姿勢の基準を提示した書
です.

 ひとことでいえば,歴史上の父祖たちへの温かい視線と冷厳極まりない技術解説が見事に両立した軍事史です.

 読んで欲しいと思う理由は次のとおりです.

1.無機質なデータや事跡の時系列羅列ではなく,人・武器・装備・出来事を主人公とする物語の数々を通じて,建軍以来のわが軍事の歴史が語られるストーリー性.

1.使用している資料は,「偕行社記事」などの軍部内向け本格資料や軍人の言が多く,それらを咀嚼した著者の記述の信用度はすこぶる高い.

1.軍事能力の核となる武器技術と教育を中心に,明治建軍から満洲事変に至る,わが軍事史を総合的に記述した内容で,歴史としての総合性と軍事専門性の両立という点で,他に例を見ない.

1.重要なのに知られざる軍事できごと(軍内部の教育や配属将校のこと,日露戦争の各種失敗など)を,信頼できる資料を通じて,わかりやすく解説している.

1.メルマガ記事を読みなれているものにとっては,ひとつひとつのストーリーの長さが適度で読みやすい.

1.あらゆる歴史事象に対し,現在の価値観で過去を裁く傲慢さがない.
 懸命に当時の現実のなかで評価しようとする姿勢に,信頼と好感を持てる.

1.帝国陸海軍の仕組み,軍事・軍隊の何たるかを,わかりやすく誠実な姿勢で,しかし,妥協することなく科学的に解説している.

 本著を以て国民は,維新以来はじめて,「国民のための総合的なわが軍事史」を手にできたと感じます.
 こういう事業が,ひとりの教育者の手によって成し遂げられたことに驚くとともに,荒木先生に対し,限りなき敬意を表します.

■日露戦争〜昭和初期に至る歴史

 私が本著にもっとも感謝するのは,第3章以降の著述を通じ,日露戦争から昭和初期の歴史に関する苛立ちー―「当時の歴史の全体像と,わが国の進路がおかしくなった分岐点が見えない」―ーを解消する視座を与えてくれたことです.
 どうやら,この時代の歴史を把握するキモは,「RMAと統帥権干犯問題」のようです.

 日露戦争(1904〜1905)から一次世界大戦(1914〜1918 大正3〜7年)の時期に,軍事の世界は大きく変わりました.
 RMA(軍事分野の革命)が確認されたのです.
 大正〜昭和初期の軍縮への動きは,RMAに伴う「軍近代化」という意味合いが,非常に大きかったようです.
 しかるに政治はこのことを正確に理解せず,マスコミ,軍部内の反対派や革新官僚と結託して,統帥権干犯問題の政局にしてしまい,(ちなみにこの主役になったのが前首相の祖父・鳩山一郎でした)陸軍の下克上,海軍の部内亀裂を招く種になったようです.

 このとき政治は,将来の国防の方向性,あり方を真剣に考え,国際社会における力関係,わが国力の実際,必要な安保体制など総合的な視点から,軍近代化という大問題は,軍関係者に丸投げすることなく政治の責任で進めなければいけなかったのでしょう.

 その責任を感じず,軍部に取り返しのつかない重大な傷を残し,将来の禍根を招いたことをさておいて,マスコミ・政治等の当時のエリート層は,それ以降に起きた総ての責任を軍部に押し付け,知らん振りしてきたのではないでしょうか.

 21世紀のRMAは,いまも現在進行形で進んでいます.
 「総力戦」が「新総力戦」,「軍縮」が「軍拡」になるなど,それぞれの言葉は違いますが,RMAに伴う世界規模の軍の変革は当時と同じような形で世界を飲み込んでいます.
 しかるに国民・マスコミの理解は低く,政治も意味を理解できていないようです.

■ここは圧巻!

 291ページからはじまる,「学校教育と軍隊」は圧巻です.
 荒木先生の面目躍如といいましょうか,帝國陸軍と学校教育の関係のここまで詳細な歴史が,一般の人の前で明らかになったのは初めてではないでしょうか.

 多くのマニアは「1925年(大正14年)からの現役将校学校配属制度」が,学校での軍事教育の始まりだと思ってますが,実際のところは明治はじめから行われていました.
 陸軍の要請でなく,文部省の要請ではじまり,文部省の熱意に対し,陸軍は冷淡だったという意外史も記されています.

 そんな陸軍も,現役将校配属制度が始まってからは,最優秀の将校を学校に派遣し,「軍民離間」が起きぬよう細心の注意を払って対応していたようです.
 その証左である,「行われた教育のハイレベルさ」には驚きました.
中学(現在の高校)では士官学校レベル,
高等学校(現在の総合大学教養部)・高専(現在の単科大学)では初級〜中級将校レベル
大学(現在の総合大学専門課程)では陸大履修者レベル
で企画されていたそうです.
 その際,学生に与えられた資料も,優れたものが多かったそうです.

 ところがこれに対する学生・学校側の反応は,次のようなものでした.

<生徒たちは真面目に話を聞こうとしない.
 二言目には,軍人などは頭脳のレベルが低い,体力自慢の人間である.もう戦争など起きないのに,ありもしない脅威を言い立てて,自分たちの飯のタネにしようとしているなどという>
(旧制高校配属の陸軍中佐)

<『軍隊ほど非人間的なところはない.人間の自由を陸軍ではどう考えているのか』
 そういう理屈をいうわりに,身の回りの整理整頓ができない.自由と放埓さを履き違えている>
(旧制中学配属の陸軍大尉)

<学生たちは教授に出会っても挨拶もしない.
 先生の方も,講義中に学生が私語をしても注意もしない.
 大学の構内では物を置き忘れたら,まずなくなってしまう.
 誰もが自分の利益だけを考えている.
 全体のために何かしようとすると,口だけは賛成するが,自分からは実行しない.
 よい会社や官庁に就職することだけが関心事で,学問も成績を上げるためだけにしている>
(ある帝国大学に入学した砲兵大尉)

<職員室では先生たちは,非協力で冷たい目を向けてくる.
 学校長ですら頼りにはならない.
 孤独に耐え,不平を言わず,ひたすら任務を果たすことに没頭すべし>
(某県立中学派遣の歩兵大尉)

「今と同じだ・・・」
 愕然とする人も多いのではないでしょうか.

 荒木先生は
<高学歴者のエリート意識,軍事への無関心さ,不当な評価を下して平然としている態度,学校教員の軍人への意地悪さなどは,現代でも少しも変わっていないように見える>
と指摘します.
 同感です.

■国民の軍事認識は江戸時代に先祖返りしただけ

 荒木先生が,本著で伝えたいもうひとつの重要なポイントは,次の言葉だろうと感じます.
<常説通り,過去の日本人たちがみな軍事に関心を持ち,侵略主義にこり固まっていたというのは,ほんとうの日本人の姿だったのだろうか.
 実は,それはある思想をもった人々の捏造だったのだ.
 近代以来,150年近くが経って,日本人は初めて長い平和の時代を体験している.
『戦争とか,国防なんて,お上の考えることですよ』
と答えた,江戸時代の日本人に戻っただけではないだろうか>
(p.310)

 また,先生は,「軍国主義の国民は軍事音痴である」という外国の言葉も紹介されています.
 先に紹介した,将校たちの言葉もこれを裏付けるものです.
 為政者やマスコミ,国家エリートは,これらのご指摘をよくよく考えなければいけないですね.

 〔略〕

 今回は満洲事変までですが,満洲事変から大東亜戦争開戦に至る時期を対象とする続編の構想もあるそうです.
 実に楽しみです.

 ぜひお読みください.

――――――おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)7月28日(水)

『覇者の戦術 戦場の天才たち』(中里融司著,新紀元文庫,2013)

第1章:戦車戦〜戦車使用の実態と,その戦例
第2章:攻城戦〜攻城戦への注意点
第3章:少数騎兵による迂回機動戦〜大群を相手の短期決戦
第4章:優勢な騎兵に対する歩兵防御戦〜騎兵の成立と,その運用
第5章:巨獣(象)を利用した戦術〜兵器としての猛獣の活用
第6章:大群を相手とする迎撃殲滅戦〜敵国に侵攻する大軍の運用と,その迎撃策
第7章:大規模な騎兵戦〜騎兵の大規模な運用と,その対処策
第8章:水運を利用した機動強襲戦〜戦場への輸送手段
第9章:近代戦術の萌芽〜現代に続く戦術の発展
第10章:戦術の帰結〜ふたりの天才に見る,地上戦戦術の完成
付録:情報伝達手段/気象と戦術/陣形の変遷史

 紀元前1300年ごろのエジプト対ヒッタイトの騎馬戦車戦からワーテルローの会戦まで,古代〜近世の17の会戦の戦術と推移を解説した戦史書.
 登場する歴史上の人物もアレクサンダー大王,ハンニバル,源義経,織田信長,ナポレオンなど多岐に渡る.

 世界史の読み物といった感じもあるが,各戦例ごとに地図や図解が出てくるので,ぱっと見でもそこそこ理解できる.
 アメリカ南北戦争のヴィックスバーグ周辺の戦いや,古代中国,モンゴル帝国などの戦例も出てきてバラエティには富んでいるので,戦術史入門としては面白いと思う.

 なお,戦例は各章に関係のあるものをそれぞれ収録しているので,時代順には並んでいない.

------------軍事板,2002/10/08

『ハプスブルク史研究入門』(大津留厚著,昭和堂,2013.5)

『ハプスブルク史研究入門』を読む 「ハプスブルク」を歴史の中に位置づけて理解するために―― (2013-06-23)■「ストパン」

『早わかり!今さら聞けない日本の戦争の歴史』(中村達彦著,アルファポリス,2011/12)

『明治・大正・昭和華族事件録』(千田稔著,新潮文庫,2005.11)

 何気なく買ったら,しょっぱなから醍醐忠重中将の父親がその甥,つまり中将の歳の離れた従兄弟に殺されていたり,東郷元帥の孫娘が家出してカフェーの看板娘になっていたり,細川護貞侯と酒井恕博伯が学習院時代にホモだちだったり.
 でも一番「これはひどい」と思えたのは,軍事と関係ない,便所に入っていた妻を,汲み取り口から竹槍で突いて重傷を負わせたという本多某男爵.

――――――軍事板

『歴代陸軍大将全覧 明治篇』(半藤一利・横山恵一・秦郁彦・原剛著,中公新書,2009.1)

『歴代陸軍大将全覧 大正篇』(半藤 一利,横山 恵一,秦 郁彦,原 剛著,中公新書,2009.2)

     ●●●琉球・沖縄史

目からウロコの琉球・沖縄史

『海の王国・琉球 「海域アジア」屈指の交易国家の実像』(上里隆史著,洋泉社,2012.2)

『沖縄事始め・世相史事典 復刻』(山城 善三著,日本図書センター,2013.4)

『沖縄の真実 完全保存版 「楽園の島」の歴史と現在』(学研パブリッシング,2013.4)

『新琉球国の歴史 叢書・沖縄を知る』(梅木 哲人著,法政大学出版局,2013.3)

『琉球の時代 大いなる歴史像を求めて』(高良倉吉著,ちくま学芸文庫,2012.3)

●総記書籍

『annal of the siege』

 フランスの軍事技師が著した作.
 仮想の都市がフランスの歴史の節目ごとに攻囲を受けてきたという筋立てで,各時代の要塞技術を紹介.
 図版が章ごとにきちっと入っており,見ていくだけでもある程度内容をつかめる.

 フランスは十字軍の城郭研究でも先駆者が多く,西欧中世史の研究では侮れないというか,フランス史学があるわけで,その背景にこのような好事家の仕事があるのかと思う.

――――――軍事板

『Virtual History: Alternatives and Counterfactuals 』(Niall Ferguson編,Basic Books, 1999)

 タイトルどおり,「if」の歴史を,歴史学者が集まっていろいろ書いたアンソロジー.
 「クロムウェルなきイングランド」とか「英領アメリカ」とか,古手のものもあるが,近代史がメインで,
「カイザーのヨーロッパ連邦(1914年にイギリスが参戦しない)」
「ヒトラーのイギリス(BoBでイギリスが負ける)」
「ナチス・ヨーロッパ(独ソ戦にドイツが勝利)」
なんかが,ベタなネタだが面白い.

 戦後篇として.
「冷戦は避けられたか(ソ連の行動を検討)」
「ケネディが生きていたら」
「ゴルバチョフなき1989年」
なんかも入っている.

 軍事というより歴史で,ものにより玉石混交だけれど,英語が苦でなければ是非.

――――――軍事板,2009/12/02(水)

『亜細亜侵略史』(高橋勇著,霞ケ関書房,1941)

「歴史の歴史たる所以は,事実ではなく,実に事実に対する解釈である」
と,侵略側の都合により描かれた,武力行使以前より,段階的に進んでいく過程を追って書かれている.
 清国との戦争以前に,建前と共にぶち上げられた,民間による現地への経済的浸透,
 これを守るための法の不平等の段階で,もはや侵略の9割が達成の域にあると,その経済,文化的侵略の重さを,武力行使以上に述べる.
 少し古い本とはいえ,アジアへの侵略について,多少なりとも考えさせられる本ではある.

 本当に狡猾だよね,イギリスの植民地政策ってば.
 ちなみに,昭和16年発行.

――――――名無しの愉しみ : 軍事板,2011/09/28(水)
青文字:加筆改修部分

『ヴィジュアル版 「決戦」の世界史』(原書房,2008.5.29)

 図版多数収録って新聞広告にあったから,戦場の詳細マップや対峙する両軍の展開や戦術なんかが,見た目に分かり易く解説されてるんのかなーって思ったら……
 収録されてたのは大半が,戦争にまつわる歴史画なんかでした(泣)
 5k以上したのに……
 文による解説も初心者向けだし,失敗したよう(泣)
 原書房だからコアなミリオタむけと思ったのに.

――――――軍事板

『外国新聞に見る日本 国際ニュース事典』(毎日コミュニケーションズ,1993〜)

 図書館で発見.
 直接軍事に関係ない項目も多いがバックボーンとなる資料として素晴らしい.
 当時の視線・価値観で書かれた外国新聞の記事が,現代の風潮に媚びずに踊っている.
 惜しむらくは原文が並記されてなく,日本語の訳分のみなので,そっちを参照したい場合に一手間かかるという事ぐらいか.

――――――軍事板,2010/12/25(土)

『教養人の東洋史』下(社会思想社,初版1966/4/15)

 今読んでるのは34版1990/6/15.
 抜粋すると,
「中国はなぜ朝鮮に志願軍を送ったのであろうか.
 中国の指導者たちは,それはソ連が参加しないですむようにするためであった,といっている」
 で,
「アメリカとソ連が正面から戦えば,確かに世界大戦の可能性があった.
 また,志願軍と言う形式は,アメリカと中国が正式の戦争状態になるのを避けさせた.
 これは,永く人類に感謝されるべき,賢明な処置であったといえるのではなかろうか.」
「しかも,中国のはらった犠牲は巨大であった.」
と続く.

 こんなんなら,同じ文脈で大東亜戦争も肯定できるわ(笑)
 中国側の「志願軍」という名称が,「戦場を朝鮮半島内に限定したい」というメッセージだったんだろうというのは,実態が正規軍だったことが明らかになった後では,ほとんど通説化した見方だと思うんだが.
 アメリカとしても,戦場を広げたくないという点で利害が一致していたから,「志願軍」の建前を受け入れた訳だし.
 最初から両者の間に「限定戦争」という暗黙の了解があったという点で,第二次大戦とは全く意味合いが違う.
 マッカーサーの思惑通りに米中全面衝突まで行っていたら,話は違うが.

 他にも,北伐中の南京事件について,英米の砲艦が南京市内を砲撃したことは書いてあっても,国民革命軍が領事館を襲撃したことを書いてなかったり,日本が反対してたことを書いてなかったり.

――――――軍事板,2010/02/23(火)

『軍拡と武器移転の世界史 兵器はなぜ容易に広まったのか』(横井勝彦・小野塚知二編,日本経済評論社,2012/03)

 横井さんは日英経済関係,特に技術移転に関する歴史のエキスパート.
 『日英兵器産業史』などの著書があって,結構面白い分野を得意としている研究者.
 本書は,武器移転に関する様々な専門家による論述集で,様々な時代,国の武器の技術移転に関する流れを第一部で追い,第二部では,1933年以降のドイツの武器技術の移転,特に中国を中心とした武器輸出とその国産化支援,一方で,米国からの技術導入によるドイツのモータリゼーションの発展,第1次大戦後のドイツ再軍備に関する技術移転などを主に扱っている.

------------眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2012/03/10(土)

『殺戮の世界史』(マシュー ホワイト著,早川書房,2013/3/22)

 帯の時点で予測はしてたけど,ジューンガル征伐を,清のオイラト系諸部の移住ガン無視して,さも全滅させたみたいに書いてる.
(おまけに移住者は餓死したとか,大嘘ぶっこいてる)
 おまけに殺戮の世界史とかいいながら,新大陸征服ガン無視してるので,クソ本認定したい(真顔

------------遊牧民@目指せバクシ in twitter◆(2013/03/29)
https://mobile.twitter.com/Historian_nomad/status/317517321021296640
https://mobile.twitter.com/Historian_nomad/status/317517575502311424

『地獄の歴史』(アリス・K・ターナー著,法政大学出版局,1995.9)

 史上,人々は死後の世界をどう想像してきたか.
 シュメールから近現代までの死後の世界を,欧州はキリスト教の地獄の歴史を軸にまとめた本.
 天国はもっぱら精神的で,おぼろげな理想郷でしかなかったが,地獄は肉体的で,過剰なほどに具体的な想像の対象だった事が,よく分かる.
 想像の限りを尽くした,陰惨な地獄観から陽気な地獄観まで,欧州史の根底に流れる罪と死の概念と価値観を知るのに,大きな参考になるだろう.

――――――軍事板,2011/02/14(月)

『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(ジャレド・ダイアモンド著,草思社文庫,2012.2)

『銃・病原菌・鉄.(上巻)一万3000年にわたる人類史の謎』を読み解く (2013/04/08)◆「国際インテリジェンス機密ファイル」
『銃・病原菌・鉄.(下巻)一万3000年にわたる人類史の謎』を読み解く (2013/04/11)◆「国際インテリジェンス機密ファイル」

『図解 世界史が簡単にわかる戦争の地図帳』(造事務所著,松村劭監修,三笠書房知的生き方文庫,2008/11/20)

 久しぶりに衝撃の一冊.悪い意味で.
 一言で言うと内容が無いよう.
 山川の世界史Bの教科書の方を買うべきだった.

――――――軍事板
 書評じゃないけど.

 書名とは裏腹,地図帳としては使えないのだけど,ポエニ戦争からイラク戦争までを網羅的にあつめた,戦史の概略書にはなっている.
 \638+税という安さなので,情報としては「あらまし」程度.
 この値段で2色刷なのは,頑張っているんじゃないのかな.

 なので,興味が世界史的な方向に進み始めた人に,ガイドラインとしてなら,財布にも優しくおすすめできると思う.

 松村さんも,こういう仕事してたんだね.

-------------軍事板,2012/04/16(月)

『世界史の名将たち 新版』(B. H. リデルハート著,原書房,2010.1)

『世界戦争史』(復刻)(伊藤政之助著,原書房,1984.9〜)

 うちの大学の中央図書館(学部の図書館じゃなくて)の,一般開架に置かれている各出版社の通史概説叢書の間に,全巻並んでて驚いた.
 戦前の陸軍将校が書いたもので,西洋のを中心に記述.
 別冊併せて11巻.
 普仏戦争とか南北戦争が「西洋最近篇」に入っていて,第一次大戦がない.

 しかし実は,原書の「戦争史」では世界現代編として
(一)で米西戦争,ボーア戦争,伊土戦争,バルカン戦争,(第一次)世界大戦,ソ連・ポーランド戦争,ギリシャ・トルコ戦争,モロッコ戦争,エチオピア戦争,スペイン戦争,満洲事変,チャコ紛争
(二)で支那事変 昭和12年〜16年,張鼓峯事件,ノモンハン,ドイツがポーランドからノルウェー,フランス,ユーゴスラビア,クレタ島攻略までを扱っている.

 また,国会図書館では,著者の伊藤政之助の「戦争史東洋編」の生原稿が所蔵されている.
 確か世界現代偏が復刻されなかったのは「この時代なら,今もっといい資料がある.」だが,個人的には現代偏(一)には伊土戦争とかソ連・ポーランド戦争とか,他に日本語文献があまり無い戦史もあるので,世界大戦や満洲事変を割愛してでも復刻して欲しかった.

――――――軍事板,2009/07/21(火)
青文字:加筆改修部分

 ちなみに,チャコ戦争は木俣滋郎著『世界戦車戦史』に一章を割いて書かれていますね.
 後,ソ連・ポーランド戦争は彩流社から阪東宏著『ヨーロッパ/ポーランド/ロシア 1918-1921』が中々面白いですよ.
 伊土戦争は『平和を破壊した和平』の上巻で取上げていたか,と.

――――――眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2009/07/22(水)
青文字:加筆改修部分

『世界を動かした21の演説』(クリス・アボット著,英治出版,2011.2)

 政治指導者の世界観を,その演説を手がかりに探ろうとする試み.
 チャーチルの海岸演説,ビンラディン,アジェンデの最後の演説,レーガン,ブッシュ,サッチャーのフォークランド戦争勝利宣言,アイゼンハワーの軍産批判など,紛争関係のものが多い.

 イラク侵攻時の英陸軍中佐ティム・コリンズ「カインの印」演説が出色.
 こういう場面でのしゃべりは,イギリス人が一番だと思う.

――――――軍事板,2011/02/11(金)

『戦史に学ぶ勝利の追求』(ブライアン・ボンド著,東洋書林,2000.6)

 リデルハートの愛弟子,だとか英国の第1人者だとか書いてあったので興味を持ったんだけど,内容はぬるいです.
 論拠が乏しくて,内容自体の信憑性もイマイチですかな.
 第2次大戦あたりから怪しくなってきて,
「あなたがそう断じた根拠はナンなのよ?」
という感じがそこかしこ.
 まぁ,戦史をかたるのではなくて,勝利への追求を戦史から学ぼうと言う試みなので,真偽自体には重点を置いていないのでしょう.

 最後は綺麗にまとまっていたけど.

――――――名無しの愉しみ in 軍事板,2010/01/13(水)

「侵略戦争を始めた日独は,国土を灰にされて当然.
 原爆投下やドレスデンの非人道性など,敗者のたわごと」
だの,
「ベトナム戦争でアメリカが負けたのは,軍事を知らない反戦運動家どもが,背後で足を引っ張ったから」
だの,これが英国軍事史学会長の書く本かぁ?,とドン引きしてしまったよ.

 いやね,戦史的な部分に大ポカはないんですよ,戦史的な部分にはね.

――――――軍事板,2010/01/13(水)

『戦争学』(松村劭著,文春新書,1998)

 戦術というよりはむしろ戦史の概説本ですね.
 骨格をつかむには悪くは無いと思います.
 ただ,記述内容を鵜呑みにしてはいけないかと.

------------軍事板,2002/02/11

 地図が少なかったので,小学校時代の地図帳ひっぱりだして,見ながら読んだ.
 一般向けの本なんだから,地図増やして欲しいね,地図.
 記述が怪しげだったり,少なかったりで,戦史を読みたくはなった.

------------ 偽143 : 軍事板,2002/02/14

『戦争と資本主義』(ヴェルナー・ゾンバルト著,講談社学術文庫,2010.6)

 興味ある部分を拾い読みした程度だが,近世頃の戦争の諸形態の変化と,経済の進展について書かれてある.
 軍隊の装備,給養,被服,造船について数字を挙げながら書かれていて,無味乾燥な数字の羅列だけではなく,近世の軍事史として見ても面白い.
 『図説 英国の帆船軍艦』に興味があるのなら,こちらもお勧め.

――――――軍事板,2011/08/03(水)
青文字:加筆改修部分

『戦争の近現代史』(加藤陽子著,講談社現代新書,2002)

 大変面白かった.

 「戦争に至る過程で,為政者と国民が世界情勢と日本の関係をどのようにとらえ,どのような論理の筋道で戦争を受け入れていったのか,その論理の変遷を追ってみるというアプローチ」
(本文より)

 このような視角から見た日本近現代史本は,めったに無いはず.
 お勧め.

 しかし,講談社現代新書はいい本多いな.

------------軍事板,2002/04/02

『戦争の世界史』(ウイリアム・マクニール著,刀水書房,2002.4)

 やっと読み終えた.
 軍事も歴史も素人の俺には,かな〜り歯応えあったけど,面白いわ,これ.
 つかオランニュ公マウリッツって,天才じゃね?

――――――軍事板,2010/12/23(木)

『戦争の世界史大図鑑』(R. G. グラント編著,河出書房新社,2008.7)

『戦争の日本近現代史 東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで』(加藤陽子著,講談社新書,2002.3)

『戦争の変遷』(マーチン・ファン・クレフェルト著,原書房,2011.9)

 ようやくを読了.
 主権国家が政治目的のために戦争をするという,クラウゼヴィッツ的世界は近代の産物であり,古代中世近世現代の戦争を,クラウゼヴィッツの視点から見るのは適切ではない――っていうことを一生懸命説明して,これからの時代は低強度紛争であり,クラウゼヴィッツの戦争観がこの時代にそぐわない以上,クラウゼヴィッツの戦略観(ジョミニ等の近代戦略思想も)もまた捨てるべきである,っていうことを言っている.

 個人的には好きではない.
 冷戦の終盤やポスト冷戦期の軍事学史を,研究する上での価値はあるかもしれないけど,戦略思想の古典としての価値は持ち得ないと思う.
 そもそも,「戦略思想の古典」という地位を得ることを目的としてるわけではないから当然だけど,クラウゼヴィッツ批判の先行研究としての価値も,一応付け加えておく.
 やっぱり思想や哲学みたいな観念的な世界に入り浸ったり,タイタニック号を沈没させる方が好きだな.

-----------------軍事板,2011/10/19(水)
青文字:加筆改修部分
 クラウゼヴィッツの戦争論が前提とした,戦争とは「三位一体」(国民,軍隊,政府)の存在が,国益の為に争うもので,根本的には合理的行動であるという彼の戦争認識は,ウェストファリア条約成立後のヨーロッパを中心とした,ごく限れた時代と地域にのみあてはまるものであり,古代,中世,そして第二次大戦後の現代においては,的外れなものとなっている,という指摘をしている.
 現代の国民国家において,ハイテク装備を揃えた正規軍は,その力によってなんらかの政治目的を達成することが,極めて困難になっており,また主要先進国同士においては,核兵器という戦争後の結果として,確実に破滅が予想できる兵器システムの登場により,事実上戦争は不可能になったという事実を確認している.

 一方でまた,WWU後の世界において,正規軍同士の交戦で戦われた紛争の犠牲者の数が,著しく少ないことに反比例して,低強度紛争によっておびただしい数の犠牲者が出ており,こうした形態の戦争(低強度紛争)が,なんらかの形で先進国に飛び火する危険性について,警鐘をならしている.
 そして,正規軍同士の激突する通常戦争は死に掛けており,そこで使われるために洗練されてきた戦略や,ハイテク戦闘機,爆撃機,重装甲の戦車といった,大型で高価の兵器は存在価値を失い,未来のハイテク軍隊は,監視や追跡といった能力に技術をつぎ込むことになるようになっているのかもしれない……
 現代や未来に関しての分析は,こんなところ.
 戦争実行の主体として,山の老人(アサシン派)のような指導者が現れるかもしれないと予言していたが,これが2001年に(もっと前から彼はアメリカと戦っていたが)誰の目にもわかる形で現実化したのはご存知のとおり.

 著書の大部分は,かつての戦争において,誰が,何故,どのような手段によって戦ってきたのかを振り返ることで,戦争の歴史を振り返るとともに,上記のような認識にいたった経緯を,読者に納得させようとしている.

 俺はおもしろいとおもった.
 戦略論の類を読む人間には薦めておきたいし,軍事史好きにも楽しめると思う.

-----------------軍事板,2011/10/19(水)
青文字:加筆改修部分

『戦争はなぜ起こるか――目で見る歴史』(A.J.P.テイラー著,新評論,1982/01)

 イギリス人から見た近代戦争(ナポレオン戦争から冷戦まで)の評価が分かる.
 昔の版画も掲載されていて読み易い.
 いい本見つけたよ.

------------軍事板,2001/12/24
青文字:加筆改修部分

『戦闘技術の歴史1 古代編』(サイモン・アングリム著,創元社,2008.8)
『戦闘技術の歴史2 中世編』(マシュー・ベネット著,創元社,2009.10)
『戦闘技術の歴史3 近世編』(クリステル・ヨルゲンセン著,創元社,2010.10)

 執筆陣が西洋軍事史が専門の欧米人なためか,イスラム世界の軍事に関する記述はあまり無いのが残念な所.
 オスマン帝国のイェニチェリとかは取り上げられてたけど.
 東洋は最終巻で取り上げられるからまだいいけど.

------------軍事板,2012/02/16(木)

『大国の興亡』(ポール・ケネディ著,草思社,1993.3)

 いい本ですよ.
 下巻の 中級大国の危機(ミドルパワーの危機)辺りからでも面白いと思いますよ.
 上巻は 明帝国が内に籠もっていく様から書かれてますから,1500年以降の世界史を知る上でも良書でしょう.
 で,1988年に読んでからずっと読み返してますよ.

 年齢を重ね,読み返すと深みが増していく,不思議な本でもありますな.

――――――軍事板
 上下を計160円でゲット.
 105円の本が,年末セールで80円になってた.

 実は上だけ入手済みだったのだが,今回見つけた上下は「決定版」と書いてあったので,ダブり覚悟で2冊ともレジへ.
 家に持ち帰って確認したら,先に入手した上は1988年に出た旧版だった.
 しかし脚注や参考文献などが略されており,1993年にそれらを追加,また気になる箇所を改訳したと,「決定版」の訳者あとがきにあった.

 ちなみにこの「決定版」は,2002年の第4刷.
 割とこつこつ刷られてるのね.

――――――軍事板,2010/12/25(土)

『「たら」「れば」で読み直す日本近代史―戦争史の試み』(黒野耐著,講談社,2006.8)

 〔略〕
 本著は,戦後教育を受けた大多数の人にとってブラックホールとなっている日露戦争から大東亜戦争までの時代に関する解説本です.
 「世界の中の日本」という観点から,11個のシチュエーションを切り取り,「あのときもしこうしていたら?」を軍事常識に基いて検討する過程で歴史を解説しています.
 歴史シミュレーションは「しょせんはあと講釈」との感を否めないものです.
 しかし国際的に見ると,優秀な歴史家は結構やってるんですよね.
 たぶん,わが国で展開されているシミュレーションなるものが,あまりにお粗末かつ幼稚なのでこころある人はそっぽを向いている,というのが現状なのでしょうね.
 でもこの著書は,私と同じ思いをしている方にもたぶん楽しめると思います.
 理由は2つあります.

1.日露戦争から大東亜戦争に到るまでのわが歴史を知ることができる
1.国家指導部の意思決定に必要な軍事的知見を知ることができる

 〔略〕

 たしかにシミュレーションですが,歴史書とよぶ方がいい感を持ちます.
 先ほども書きましたが,戦後教育を受けてきた人間には本著で取り上げられている期間の歴史知識(その前提となる軍事常識)がほとんどありません.
 あったとしても著しく歪められたものです.
 脳のリハビリという観点からも,本著を手にとって頂きたいと思います.

――おきらく軍事研究会,2006年10月30日

『通貨燃ゆ』(谷口智彦著,日本経済新聞出版社,2010.5)

 タイトルからは,円・ドル・ユーロの今後を占う経済本のように感じますが,軍事ネタ満載.
 地政学,ドルの投資額からグルジア紛争を警告.
 すごいじゃないですか.
 2005年の時点で,グルジア問題にこれだけ解説した本は,軍事関係でも少なかったのでは?
 もっと早く読んでいれば.
 朝鮮戦争では,北が韓国銀行の内部へ侵攻した時の顛末,
 あまり朝鮮戦争に詳しくない自分にとっては,面白く読んでいるところです.

――――――軍事板,2010/02/24(水)

『日本人のための世界史入門』を読み解く (2013/05/26)◆「国際インテリジェンス機密ファイル」

『ビジュアル博物館63 戦闘』(リチャード・ホームズ著,同朋舎,2000.8)

『文明と戦争』(アザー・ガット著,中央公論新社,2012.8)

『歴史と視点』(司馬遼太郎著,新潮文庫,2009.9)

 目的は陸軍戦車兵としてのエッセイ.
 読んでみると,独特の捕虜観をお持ちのようで.戦陣訓と軍人勅諭が全然違う重みという事を,わかりやすく解説.
 マニアには常識でも,素人+には非常に為になる.

 「降倭」について話は全く知りませんでした.
 WW2だけで日本人の戦争観を決めようとしてはだめですね,
 歴史は幅広いというのを学びました.
 良い本です.

 日本人にとって戦争とは,イヤ・スキの次元であって,「戦争はイヤだ」程度の認識なら,また戦争する可能性が高い.
 戦争は「できる・できない」の次元で考えて欲しいとの事.

 ところで,R元大佐ってどなたでしょうか?

――――――軍事板,2011/07/13(水)
青文字:加筆改修部分

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