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◆◆装備 Felszerelés
<◆Nam FAQ 目次 Vietnami háború Index
<戦史FAQ目次
(画像掲示板より引用)
「カラパイア」:【画像】ベトナム戦争時に仕掛けられたブービートラップ
『地獄のヘリ作戦』(H. L. ミルズ Jr.著,朝日ソノラマ文庫,1995.5)
たまたま立ち寄った古本屋で手に入れたんだが,おもしれー.
ヘリの運用に関する本は読んだことがあるが,実際の運用がどうだったか知るのにいい本だな.
著者は偵察ヘリのパイロットで,攻撃ヘリや地上部隊との連携がよくわかる.
戦車に近付く,RPGを持った兵士を発見して攻撃したり,敵味方入り乱れて航空支援できない場所では戦車が活躍したりと,性質の違う兵種をバランスよく持つことの重要性も,改めて認識させられた.
風景全体を隈なく見るのではなく,変わった兆候に気付くことの重要さなど,偵察の感覚についてもいくらか書かれている.
ベトコンが多く隠れている地域の上空を飛ぶと,炊事や排泄物の臭いでわかるんだとか.
著者が軽く人外の域に踏み込みかけているのも,面白さの一つか.
敵に包囲された部隊を助けるために,途中補給に帰るも,13時間飛び続けて上空から援護し,銃撃で機体にいくつも穴を開けられるも,ガンナーともども無傷で帰還して,次の日朝一番のフライトまで行っている.
なんなんだ,この人.
――――――軍事板,2011/09/16(金)
『ジャングルの航空戦 前線航空統制官の戦い』(マーシャル・ハリソン著,大日本絵画,1993.7)
ベトナム戦争でFACを務めたアメリカ人の話.
当時の地上攻撃時の管制方法なんかが分かって,結構面白かった.
OV-10で敵地に着陸して,味方を乗せて帰ったりと,無茶もやっていたようだ.
――――――軍事板,2010/03/12(金)
今更ながら読んでみた.
もともCASやFACのミッション好きだったが,現場での,細かい無線等のやりとりや,他職種パイロットとの交流の内容がすげー面白かった.
ところで18年前の初版なので,表紙のキズはしゃーないにしても,全体にベットリ大量についた指紋ぐらい,拭いてから発送してくれ・・・・
-------------軍事板,2011/01/19(水)
青文字:加筆改修部分
『ベトナム航空戦』(W. モーマイヤー著,原書房,1982.2)
特に第3章に書かれている,北ベトナムによる南ベトナムへの補給路に対する,戦術空軍を中心とした航空阻止作戦の流れが興味深かったり.
しかし,あとがき読んで「原著の内容を分割出版」と書かれていたから,amazonと日本の古本屋でチェックしたけど,結局出版されなかったのね・・・
近接航空支援に投入されるB-52とか,ケ・サン基地攻防戦とか,面白そうな内容っぽかったのに.
――――――軍事板,2010/12/28(火)
青文字:加筆改修部分
『ベトナム・チョッパー ヘリ航空戦1950-1975』(サイモン・ダンスタン著,並木書房,1992.2)
ベトナム戦争での米軍のヘリ運用について書かれた本.
ガンシップやヘリボーン,救急等細かく事例を挙げて説明されている.
これで3.2Kは費用対効果高いと思う.
――――――軍事板,2010/04/13(火)
【質問】
ベトナム戦争中の米軍戦車は,不利な環境でどのように運用されたのですか?
集中運用せずバラバラに,歩兵支援に廻されたのでしょうか?
【回答】
M551シェリダン大活躍.
M48もどっさりでした.
ベトナムといってもデルタ地帯で水路に深泥田から,高原のジャングルにゴム園(プランテーション),そして都市部まで地形は様々です.
で,ジャングルの中に道路が通ってて,その先に砲兵の拠点があるんで,ジャングルの道路を毎日走って守るとか,路肩両脇の木立を鋤くっつけて耕して待ち伏せされないようにするとか,包囲作戦やるんで出動とか,車列が待ち伏せ受けたんで救出とか,いろいろ大活躍してました.
まぁ,戦争にははっきり負けちゃったんですけどねぇ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
新新FAQですが,
>ベトナム戦争で,アメリカ軍はM48戦車を投入しました.
>これは,間違いから起きたことでした.
>ジャングルや水田の多いベトナムの戦場では,重い戦車は役に立たないと,アメリカ軍は考えていました.
>そこで,ベトナムへ派遣する部隊の編成から,M48戦車は除いていました.
>ある部隊が,間違えて,M48戦車を持ったまま,ベトナムへ行きました.
ということですけど, 戦車のような誰の目にもつくものを,どういう原因で「間違って」持ち込んだんでしょうか?
書類上のミスとかあっても,実際に現物が運搬されているのを誰かが気付くもんじゃないんでしょうか?
【回答】
なんかうろ覚えだが,この回答の時も例によって議論になってなかったか?
ソース元が不明って事で.
それに,ベトナム政府軍もM48使ってるわけで,間違えて持っていったというのはおかしいわな.
海兵隊としては戦車の有用性を論議することもなく,正規の編成装備の中に戦車があると言う理由でベトナムの戦車を持って行ったのだと言う.
要するに積極的に持って行くとしたと言うより,持って行かない理由を思いつかなかった.
これは確か,海兵隊自身が編纂したベトナム戦史にあったと思う.
つーか,その部分カスミン〔=HN「霞ヶ浦の住人」〕のレスじゃねえか(笑)
ちなみに小橋良夫は,この経緯を以下のように説明している.
――――――
米軍にとって最も新型のM60は,ベトナムに姿を見せていない.
その理由は,1962年より生産が開始されているのにもかかわらず,いまだに米陸軍および海兵隊の全機甲部隊に装備が完了していないことが考えられる.
装備途中にイスラエルに大量供与しなければならなかったことや,韓国など南北のバランスを取るために,M60を増援したこともある.
したがって,ベトナム戦争に投入されたのはM48Aであった.
――――――『ベトナム戦争と兵器』(KKワールドフォトプレス,1980.4.20),p.113
ゆえに「間違って送られた」説は非常に疑わしい.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ これって昔,戦車(戦後の傾向を書いた本?)を解説した本に出ていたような.
(題名等忘却)
陸軍(だか大使だか)は戦車を持ち込まない予定であったが,海兵隊の編制をよく知らなかったため,海兵隊に派遣命令を出した際,戦車を除くことを伝えず,派遣命令を受けた海兵隊の方も,完全装備で上陸という解説.
アメリカの駐ベトナム大使?はあからさまに,「不要な物を持ってきた」と,云々.
一応そう書いてあった本はありました.
(25年くらい前か,それ以上前の本)
ネットで,その記述に対する反論乃至否定があるのは,ご存じの通り.
bugaisha in FAQ BBS,2011/11/17(木) 16:40
> 陸軍ではベトナムの地形は戦車の活動には適さないとして,戦車は無用としたが,海兵隊は最初からM48戦車を持って上陸した(U.S.マリーンズ ザ・レザーネックP161)
しかも同書では,M52 155ミリ自走砲(当時は米海兵隊は自走砲を装備していたらしい)や,M50オントス106ミリ対戦車自走砲,LVTP-5水陸両々装甲車といった戦闘車両を,米海兵隊が投入していたことが書かれています.
それに戦車等,大型戦闘車両を上陸させるには,大型の揚陸艦(当時でしたらLST型揚陸艦 もちろん太平洋横断を考慮しないと)を用意しないといけません.
港やそれに準じたものがあれば,一般の商船でも良いが….
補給や整備等のことも考慮する必要があるので,
>>これは,間違いから起きたことでした.
というのは間違いであろう.
燃料,弾薬や訓練を受けた予備人員(戦闘や訓練で死傷したり,病気で入院する人がでるから必要)が無く,部品が無いため整備ができなければ,戦車(だけではなく武器・兵器すべて)は使い物になりません.
90式改 in FAQ BBS,2011/11/19(土) 16:8
さようですねえ.
古い本の記述通りだったとしても,「間違いから起きたこと」の一言で片付けられるかどうかは疑問ですよねえ.
誤解を招く単純化の例ですねえ.
bugaisha in FAQ BBS,2011/11/20(日) 22:52
▲
【質問】
ベトナム戦争中の,M14からM16への転換は,どんな順序で行われたのですか?
ベトナム戦争の時一部の部隊(海兵隊など)は前線でまだM14で戦っていました.
このような前線の部隊にM16が配備されたとき,M16の扱いをマスターするためにこの部隊は後方で訓練を行ったんでしょうか?
それともそれほど訓練せずにそのまま前線での任務についたんでしょうか?
【回答】
初めに採用したのは空軍基地での警備部隊でした,
前線への投入は暫定的なもので,M16に対する習熟訓練を終えた者から前線へ再送されました.
どのような装備も,イキナリ前線に送られて兵士に手渡される事は先ずありえませんし,通常の部隊への装備切り替えに伴う再訓練は,これらのバトル・プルーフがある程度進んでからの事です.
この辺りは1等自営業氏の方が詳しいかと思いますが(笑).
三等自営業◆LiXVy0DO8s
車上で仮眠をとる米兵
傍らのM-16に注意
(画像掲示板より引用)
【質問】
ヴェトナム戦争中,M-16になされた改良はどんなものだったか?
【回答】
主な改良点は以下のとおり.
ボルトの閉鎖不良対策として,機関部右側面後方に強制閉鎖用のレバー(ボルトフォワードアシストノブ)追加.
マガジンキャッチ周辺に,間違ってマガジンキャッチを押さないようリブを追加.
銃口のチューリップ型消炎器が補強され,更に後のタイプでは鳥篭型に変更.
ストック底部がゴム製から金属製になり,整備器具を収納するための蓋を追加.
ストック側のスリング取付金具が可動式から無可動に.
(R項 from NAM戦装備/用語辞典)
【質問】
アメリカ軍の特殊部隊が,ベトナム戦争の時にHK33を,M16の代わりに試験的に使ったことがあるとの話を聞きますが,その評判はどのようなものだったのでしょうか?
【回答】
ベトナム戦争当時,海兵隊等はAR-15(M-16)の他にいくつかの銃を試験的に使用しています.
HK33もその一つで,結局は改良されたM-16A1が制式採用されましたが,今でもSCAR等を一部で試験的に運用したりしています.
これは米軍の,特に海兵隊の体質で,常に任務に応じて装備を替える必要がある為です.
総評としては,HK33は信頼性も高く,良い小銃ですが,ローラーロッキング部分の耐久性に難があり,また,薄板をプレスしたレシーバーは,長期の使用で歪んでくる等の問題点があり,冶具を使って定期的に修正する必要がある事も,評価に影響したでしょう.
三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板,2007/07/16(月)
以下のhp見るかぎり,M16の信頼性が向上したら,使う意味なさそうだね.
http://www.special-warfare.net/data_base/204_military_rifles/assault_hk_g3_03.html
【質問】
『フォレストガンプ』におけるベトナム戦争のシーンについて,質問させて下さい.
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=CsyYvFgdb5c
重機関銃(調べて見るとM1919A6?って銃っぽい)が弾詰まりを起こして,撃ってる人達がどかーんと吹っ飛ばされますが,実際の戦闘でもこんなに簡単に詰まることがあったのか,また詰まるとしたら原因は何なのかも教えて頂けると嬉しいです.
【回答】
ベルト給弾式の場合最大の原因は,吸い込まれるほうの弾帯と一緒に異物を巻き込むこと.
あるいは,ベルト状態のカートリッジを踏むとかで変形させてしまう場合.ベルト式の代表的な弱点と理解されたし.
簡単に詰まることがあったか?についてはケースバイケース.
ボルトを引っ張れば殆どが,その場で解消するトラブル.
運悪く引っ張っても抜けない場合,前から棒で突っつくとかいろいろやることはある.
機関銃チームの典型的な訓練内容です.
軍事板,2009/08/07(金)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ベトナム戦争のときに米軍が使っていた,M1ヘルメットとM2ヘルメットの違いを教えてください.
ライナーの改良が主な変更点だと聞きましたが,どこがどのように改良されたのか,教えていただきたいです.
【回答】
*樹脂で固めたコットン製から,ナイロン積層になった.
これにより,ライナーの防弾性が向上している.
*ライナー用チンストラップの廃止とサイズ調節用ストラップの変更.
アメリカのヘルメットの特徴である,「ヘルメット前部に引っ掛けられたチンストラップ」が,M2にはない.
サイズ調節ストラップは,旧型では頭頂部の紐で調節する方式だったが,ストラップ自体を固定バックルで伸縮する形式に変更された.
ライナーはその後再び変更が行われたが,これはベトナム戦では使用されていない.
再改良型ライナーでは革製バンドと共に,バンドを固定する為のコットン・ストラップ自体も取り外し可能になった.
【質問】
映画「ワンスアンドフォーエバー」冒頭,ベトミン軍がバズーカーらしきものを持ち出してフランス軍を攻撃するシーンがあったのですが,ベトミン軍はバズーカなんて持っていたんでしょうか?
あと,最後のシーンで北ベトナム軍がMG34を撃とうとしてたんですが,あれは中国が支援品として送ったものでしょうか?
どなたかご教授お願いします.
【回答】
岡村昭彦「続・南ヴェトナム戦争従軍記」に輸送トラックごと横流しされる模様があるが,南ベトナムに対するアメリカの軍事援助物資は相当な量が解放戦線や,解放戦線経由で北ベトナム軍に横流しされており,およそ南ベトナム軍の持っている小火器の殆どは,解放戦線や北正規軍も持っていた.
また,北ベトナムはベトナム戦争中期,ソ連からの大量の軍事援助を受け取っているが,その中にはWW2ドイツ軍からの分捕り品が少なからずあり,MG34を対空射撃に使う,北ベトナム民兵の写真も実際に残っている.
ただし,弾薬やスペアパーツの供給には限りがあり,ベトナム戦争中期以降は,ソ連や中国から供給される東側規格の火器に置き換えられてゆく.
軍事板,2006/02/09(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ベトナム戦争の時,ベトコンがアメリカ軍に対して使用して,それなりの成果を上げたという「簡易地雷」とは,どういう物ですか?
又,それなりの成果とはどの程度の成果でしょう?
【回答】
簡易地雷はあり合わせの材料で作るもので,様々な形態の物があります.
代表的なものでは,筆箱大の木箱の中に爆薬を詰め信管を指しただけの代物で,これでも木製で地雷探知機にはかかり難く,殺傷能力は十分にあります,
効果は正規の対人地雷などと対して変わりません.
で,ベトナム戦争でポピュラーなのが手榴弾とワイヤーを使ったトラップの数々.
野外ではジャングル内や川底などに設置,仕組みは想像どおり.
何かにくくりつけて安全ピンにワイヤーをかけて,これに足でも引っかけてピンが外れるとドン!(延期信管は短く切っておくのがポイント)
屋内でもブービートラップとして,なにか兵士が手に取りそうな「物」と組み合わせたり,ドアとか応用範囲は様々(簡易地雷っていうか仕掛け地雷か)
ベトナムなんかで使われた仕掛け地雷や各種罠については,上田 信氏の「コンバット・バイブル」にイラスト付き(って言うかイラストが殆ど)で詳しいです.
兵器オタク in 軍事板,2000/07/14(金)
青文字:加筆改修部分
また,'67年に集中的にベトコンのトラップに関する教本が発行されているので,それも良い資料となると思います.
米国のマニアが勝手に復刻版を出したりもしています.
手元の海兵の教本の記載を要約しますと,原始的な工具で作成され,9割方は米軍の廃棄品等が材料で,前線地域で作成される.
その95%は対人地雷.
制作場所は手軽に移動展開されて,北ベトナム正規軍技術者によって指導され,制作拠点は拡張されていく.
典型的な前線地域制作所で月に約135個の地雷が作られていると予想される.
簡易地雷の成果というのは殺傷力ではなく,その制作の容易さ(人員,材料)にあります.
特殊な技術や工具を使わず,現地生産なので現場の判断で所構わず埋設され,原材料は天然資材や米軍の不発弾や薬莢,捕獲物資等なので,手におえない代物ですね.
魔火露煮砲連装 in 軍事板,2000/07/14(金)
青文字:加筆改修部分
軍事板,2000/07/14(金)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ベトナム戦争で米海軍艦艇は,被害を受けなかったんでしょうか?
【回答】
別項にある,米空母機動部隊が空襲を受けた例の他,駆逐艦が沿岸を艦砲射撃してる時に撃ち返されて損害を出した例があります.
wikipediaによれば,米駆逐艦がシードラゴン作戦というのをやっていて,沿岸砲兵の射撃を受けて死傷者が出ています.
フィリピンのスービック湾で修理したそうです.
ベトナム戦争は実際に従軍した世代がネットに色々体験談と写真をあげていますので,調べると結構でてきます.
空母からスカイレーダーが飛んで来て沿岸を南下する補給舟艇を発見したら,沖合いで待機している駆逐艦がダッシュして目標目掛けて砲撃し,切り上げるや煙幕を張りつつ,高速で避退するという話などが見つかります.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ヴェトナム戦争では米空母機動部隊は空襲を受けたことはないのか?
【回答】
ある.
1972/4/19,MiG-17,2機からの攻撃を受け,巡洋艦,駆逐艦,各1隻が損傷したという.
以下引用.
レーダーによる完全な地上迎撃完成を常套とした北ベトナム空軍だったが,さすがにトンキン湾上で戦爆連合の攻撃編隊を出撃させる米艦隊に一矢報いようとした.
1972/4/19,航空偵察をかいくぐり,鉄道で海岸地域の秘密基地に送られていたMiG-17戦闘機2機を爆装,最大の目標,空母には到達できなかったものの,第7艦隊の旗艦でミサイル巡洋艦オクラホマ・シティ Oklahoma City CLG-5に250kg爆弾2発,駆逐艦ヒグビー Higbee DD-806に1発を投下,オクラホマ・シティの損害は軽微だったが,ヒグビーは後部127mm連装砲が完全に破壊された.
トンキン湾上の米艦隊は,自前の早期警戒機を保有していたものの,完全に不意を突かれる格好となった.
西村直紀 from 「世界の艦船」2005年4月号,p.96
また,長久保秀樹著「現代の戦闘機」(航空ジャーナル1975年3月号臨時増刊)によれば,攻撃自体は何度も行われているという.
以下引用.
1965年3月から開始された北爆,ローリングサンダー作戦は37ヶ月間実施されました.
米海軍の空母機動部隊の巡回区域として設定されたヤンキーステーションは北ベトナム側に取って目の上のタンコブで,何度も対艦攻撃を仕掛けています.
1966年夏,攻撃的なコースを取った2機の北ベトナム機に対し,空母レンジャーから発艦したVF-143所属のF-4BがAIM-7を発射し,機影がレーダーから消えました.
同年12月,北ベトナム機2機に,空母キティホークから発艦したVF-114,VF-213所属のF-4B各一機ずつがAIM-7を発射し,2機は撃墜されました.
これらは小型の低速機だったので,アントノフAn-2複葉輸送機だったと推定されています.
1968年は北ベトナムのMiGがの返り討ちに遭いました.
5月23日,トンキン湾上の原子力巡洋艦ロングビーチは,RIM-8タロス艦対空ミサイルを発射し,70マイル離れた北ベトナム上空のMiG戦闘機を撃墜しました.
北爆停止期間後,1972年4月から再開されたラインバッカー作戦では,ヤンキーステーション北方100マイルに配されたレッドクラウンと呼ばれるミサイル巡洋艦に対艦攻撃を掛けました.
4月19日に,MiG-17と魚雷艇で海空両方の攻撃を掛けましたが,MiG-17はミサイル巡洋艦ステレットが発射したRIM-2テリア艦対空ミサイルが2発命中して撃墜されました.
5月9日には,ミサイル巡洋艦シカゴが発射したRIM-8タロス艦対空ミサイルで一機撃墜されました.
赤とんぼワークス in mixi支隊
【質問】
ベトナム戦争を舞台にした空戦ものを創作中ですが,当時の空戦がどんなものなのかよく分かりません.
既に戦闘機の主武装が機銃からミサイルに移り変わっていたのは分かりますが,資料を見てみると機銃の撃墜例も多いように見受けられますし…
当時の空戦の様子がよく分かる書籍や映画なんかがあったら教えて下さい.
【回答】
まずジェット時代の航空戦に関する基礎的な知識を得る為,「スミソニアン 現代の航空戦」から読んでみてはいかがか.
勿論,ベトナムの空戦にも一章を割いてあるので,その部分だけでも参考になると思う.
あとはざっとタイトルだけ.
「空母パイロット」P・T・ギルクリスト
「ファントム航空戦」ウォルター・J・ボーイン
「エアー・コンバット」アメリカ空軍省編
「空母機の戦い」ノーマン・ポルマー
「ターゲット・ハノイ」ジャック・ブロートン
「ジャングルの航空戦」マーシャル・ハリソン
F・J・オブライエン「ファイター・パイロット」
ミリタリー・イラストレイテッド1「ベトナム空中戦」(光文社文庫)
あと,「世界の傑作機」のベトナム参戦機種.
この中では「空母パイロット」と「ジャングルの航空戦」が,強く印象に残った.
小説では,やや要望とは違うかもしれないがこちらをお薦めする.
「戦闘捜索救難ヘリ北へ」ゲリー・キャロル
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ヴェトナム戦争の初めの頃,米軍戦闘機には機関砲積んでなかったってホント?
▼ 【回答】
当時の米空軍のF-100戦闘機やF-105戦闘爆撃機,米海軍のF-8戦闘機は機関砲を搭載していました.
機関砲を当初搭載していなかった戦闘機は,F-4と後期に投入されたF-111くらいです.
とはいえF-100は旧式化し,F-8はBVR戦闘ができず,F-105はもともと核爆弾積んで突進する戦闘爆撃機で格闘戦は考慮していない.
当時の米軍戦闘機は対戦闘機格闘戦をあまり想定していない機体しかありませんでした.
F-4は海軍の迎撃機として開発された機体ですから,同じく迎撃機の空軍F-101BやF-102,F-106同様,機関砲を廃止していたわけで.それが対戦闘機戦闘にも使うようになって欠点が露呈したわけです.
んで,F-4へのガンポッド搭載とトップガン設立等によってキルレシオは大幅に改善された,と.
ちなみにベトナム戦争後期のラインバッカー作戦での空軍の戦果を見ると,機関砲によるモノは8機/51機で,ローリングサンダー作戦時の33機/86機より少なくなっています.
これはローリングサンダー時の機関砲撃墜の大半が,F-105によるものだからです.
ラインバッカー時にはF-105はおらず,機関砲未装備のF-4C,Dも使われていますからミサイル撃墜比率が高くなるのは当然です.
F-4だけで機関砲撃墜数を比較すると,殆ど変わりません.
あとヴェトナム戦時に米軍は
「ソビエトの軍事顧問団がソビエトの国籍表示をしたミグに乗ってると,それを
墜したら国際問題になる.
第3次世界大戦は嫌だからな,必ず北ヴェトナム軍の戦闘機だって事を目視確認してからミサイル撃てよ」
という無茶な命令を政治要求上出されてて,長射程のレーダー誘導ミサイル積んでるのに目視空戦をやらされたりしていました.
現場からの抗議と損害続出で流石に撤回されましたが,今度は発射してもミサイルがちゃんと飛んでいかない,という技術上の問題が起きたり.
(スパローの65%,サイドワインダーの45%になんらかの機能不良があった)
【質問】
ベトナム空戦ではF-4は,機動性の良いMiG-21に苦戦したとありますが,これは何故太平洋戦争と逆の結果なんですか?
零戦は機動性でF6Fなどに勝っていても,一撃離脱戦法でやられました.
どうせミサイルは当たらないし,F-4も一撃離脱戦法をすればよかったのでは?
【回答】
まず,「機動性」=「旋回性」ではない事に注意.
機動性というのは旋回性能は勿論,速度や加速性,上昇力や急降下性能といった
「戦闘に優位な位置を占めるために移動する(=機動)」能力全般を指す.
つまり,零戦は「旋回性能」ではF6Fに優っていたが,「機動性」で優っていたとは言い切れない.
F-4vsMiG-21に関しては,F-4は電子機器やミサイル兵装においてMiG-21を圧倒しているものの,当時の電子機器は信頼性に劣り,用兵者側が意図したほどの能力を発揮できなかった.
その上,高温多湿のヴェトナム上空は雨雲が多く,F-4のレーダーの性能が生かせなかった.
当時の米軍は『目標を視認してから攻撃せよ』という命令を出していたので,F-4は接近戦を余儀なくされていた.
そのためレーダー上で敵機を捕捉しても,目視確認のため接近せざるを得ず,結果的に接近戦を強いられる事になった.
また,戦争初期においては米軍パイロットの側に,低翼面荷重機との戦闘経験が不足しており,MiG戦闘機(この頃はMiG-17が主力だが)との格闘戦に深入りしすぎて被墜,という事も多かった.
そして,戦闘機や操縦者の能力以前の政治的制約として,北ベトナム側の飛行場その他への攻撃の禁止,隣接する中国の領空が,北ベトナム側にとっての安全空域になっていた事などの要因もある.
このため米側は有効な戦闘機掃討戦を行なえず,それが結果としてMiG戦闘機活動を許し,米戦闘機が苦戦する場面ともなった.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
「有視界外戦闘禁止」というのはどういうものなのでしょうか?
なんで禁止なのでしょうか?
【回答】
直接パイロットが自分の目で確認できない目標を攻撃するな,ということで,要するにレーダー誘導の長距離ミサイルを使うな,ということ.
ベトナム戦争の時,アメリカはソビエトが「援ベトナム義勇航空隊」という形でソビエト軍を送り込み,それが米軍機に撃墜されたら,戦闘機パイロット達には
「アメリカは我がソビエトに戦争を仕掛けてきた!」
とされて全面戦争の開戦理由にされることを恐れたため,
「敵機が北ベトナム軍の国籍マークを着けてることを肉眼で確認するまで撃ってはいかん」
という命令が出された.
ちなみにベトナム戦争中,北の領空内は,中国国境に近い一部以外はフリーキルゾーンだった.
目視確認が必要とされたのは南部で,民間機やら友軍機がやたら飛んでいた地域だ.
ソ連が北ベトナムに空軍要員を送り込んでいたことが判明したのはグラスノスチの後で,当時はSAM要員だけと考えられていた.
ただしベトナム戦争中,米軍機が中国軍機であることを確認した上で交戦に入った例も数回ある
.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ベトナム戦争に参加した米軍の,輸送機改造の対地攻撃機とその装備部隊名を教えて.
【回答】
AC-47,-119,-130
配属部隊は機種でググると出てくる.
軍事板
AC-47(FC-47)が1stACGを皮切りに配備され,
AC-119Gは,71SOSから後に17SOSに,
AC-119Kは,18SOSと14SOSに配備され,
ホーチーミンルートのトラック攻撃に従事しています.
AC-123K(NC-123K)は3機が改造され,実戦テストに投入,
AC-130Aはテストの後,JC-130Aから改造された機体が,16SOS/8TFWに配備され,後に改造されて1980年代にAFRES/711SOSに配備されています.
AC-130Eも同様に16SOS/8TFWに配備され,
AC-130Hが1980年代には16SOS/1SOWに配備されていました.
このほか,雑用機からの改造として,SwissのPC-6をLicence生産したFairchildの機体を米軍が採用したAU-23Aがあり,これらは一時使用した後,Thailandに引渡し,同じくHerioのH-550ASTOL機を改造した機体をAU-24Aとして採用し,これも一時使用した後,Cambodiaに引き渡しています.
眠い人◆gQikaJHtf2 in 軍事板
【質問】
ベトナム戦争のときの北ベトナムのエースパイロットについて教えてください.
【回答】
5機以上撃墜した北ベトナム空軍のパイロットの名前リストだけなら.
Nguyen Van Coc,Mai Van Cuong
Nguyen Hong Nhi,Phan Thanh Ngan
Nguyen Van Bay,Dan Ngoc Ngu
Luu Huy Chao,Vu Ngoc Dinh
Le Hai,Nguyen Ngoc Do
Nguyen Nhat Chieu,Le Thanh Dao
Nguyen Dang Kinh,Ngueyn Doc Soat
Nguyen Van Nghia,Nguyen Tiem Sam
ここを見ると,所属部隊までは分かるなあ.
トップは一応写真も出てる.
http://wio.ru/korea/vietnam.htm
このおっちゃんについてはサイトも立ってるね.
http://www.qdnd.vn/army/Army.Internal-affairs.history.1352.qdnd
その他についても,一部のパイロットは下のサイトに記事がある.
http://www.acepilots.com/vietnam/viet_aces.html
あとは地道にググってみたら?
【質問】
ヴェトナム戦争では,北ヴェトナム軍側の対空兵器で活躍したのはSAMだけ?
【回答】
B-52の名前は「ストラトフォートレス」=成層圏の要塞.B-29の思想をさらに推し進め,高速・高高度からの爆撃を行えば,高射砲や対空機関砲の射程外にいられるという考えで作られている.
迎撃戦闘機もすぐには上ってこれないから,俺様無敵という感じで.
だからこそ,わざわざ二段式のロケットまでつけて,上空1万メートル超の上空まで一気に上昇するような,SA-2を始めとする長距離SAMが発達した.
B-52は,このSAMでしか迎撃できなかったから,SAMしか活躍してないような印象を受けるけど,実際はS-60やZSU-57のような高射機関砲も使われてる.
ECMでレーダー射撃が出来なかったとはいえ,SAM制圧に使われたF-105とかは,結構な数がやられてるはず.
ベトナム戦時の北ベトナム側の対空火器は,小は12.7mm級から大は200mmクラスまで,さながら対空火器の見本市の様相を呈していた.
【質問】
ドイツ軍が小火器でシュトルモビクを大量に撃墜したという話は聞いたことがありませんが,ベトナムではどうして小火器で大量のジェット戦闘機が撃墜されたんでしょうか?
【回答】
ベトナムで米軍ジェット機がばたばた落ちたのは,設計技術が未熟だったことが大きい.
戦術用ジェット機は,機体にぎっしりいろんなものが詰まっていて,大戦機のようにがらんどうではない.
で,F-105のように尾翼近くの胴体下側に,操縦用やらエンジン用の各種配管を集中させるような,戦闘損傷を考えない設計が行われたもんだから,そこに対空砲火の破片が当たると,たちまち操縦不能に陥ってしまう.
燃料や油圧の配管に穴を開けられて,他は全く健全なのに飛行不能に陥った例は多かったようだ.
給油機を被弾機に繋ぎっぱなしにして,機体から漏れる以上の燃料を常に補充しながら,基地まで無事に帰り着いた,なんてエピソードもある.
対策としてそこに装甲板を貼ったら,被撃墜率は大きく改善された.
全面鉄板貼りってのはさすがにないが,現代機でもケブラー装甲なんか当たり前にある.
また,ベトナム後期の主力F-4は機体重心が後ろ過ぎる欠点があり,小型爆弾を多量に積んで数個ずつ投下するような戦法を取ると,空中でバランスを失って墜落する悪癖があった.
この問題に集中的に取り組んだ海兵隊の分析では,同隊所属のF-4のうち100機近くが,このバランスを失う悪癖のせいで失われているという.
ほかの機種については自分で調べてくれ.
解説してる刊行物は多数ある.
軍事板,2009/07/25(土)
青文字:加筆改修部分
【珍説】
ベトナムの人にとって沖縄というのは,癒しの島,海の綺麗な島ではない.ベトナムの人に聞いたことがあります.
『沖縄と聞いただけで背筋が凍るほどの,恐怖の名前でしかなかった』
と.
私たちが銃声鳴り響くファルージャの街に,命からがら医薬品を届けに行ったとき,ドクターたちは,『ありがとう』という風には言って下さらなかった.
『この子どもの体を吹き飛ばしたのは,あなたの島から来た米兵たちだよ.
あなたの島の人たちはそのことをどう思っているのか?』と
平良夏芽 in 『魂花時報』第88号
【事実】
・・・どうもこのベトナム人やイラク人の証言は,牧師の勝手な創作じゃないかと思います.あまりにも不自然だもの.
この論法が成り立つなら日本人はサイパン島を恨まねばならず,福岡の人は中国の成都を恨まなければならない.
でもそんな人,居る?
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年05月31日 20:59:57
ファルージャは激戦地ですよ.
イラクへ行くのを断念するジャーナリスト(宮嶋茂樹氏)がいるほどですから.反戦団体なんぞが入れるはずは〔殆ど〕無い.
Posted by 90式改 at 2007年05月31日 22:34:10
私はベトナム留学経験者です.しかも北部.
この牧師さんが言うような話は,噂にも聞いたことありません.
沖縄県絡みの団体※が活動しているのは確かですが,彼らがベトナム人から「忌まわしい島から来た人たち」扱いされたという話も寡聞にして知りません.
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年06月02日 04:54:10
ちなみに平良牧師の奥さん,林希代子さんのサイトの記事でこんなものが.
http://www.ne.jp/asahi/cyura/kiyoko/albumpage/060930.htm
>ここまで堂々と強行されると,テポドン騒動はこのための自作自演?と勘ぐりたくもなる.
ははぁ,テポドンはCIAの捏造ですか.
神浦さん並みの陰謀論ですね.
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年05月31日 21:13:52
〔もう一つ余談だが,〕某所で拾った名言
465 名前: 仕様書無しさん [sage] 投稿日: 2007/05/25(金) 19:37:16
自分で作った設定に自分で取り憑かれ,まるでそれが世の常識のようだと思いこんでしまっているから,論破は不可能.
論破って,されるほうにもそれなりの頭が必要だから.
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年06月01日 09:30:39
以上,「週刊オブイェクト」コメント欄,2007年05月31日付
※ この留学経験者は私ですが,太字部分「沖縄県絡みの団体が活動している」が思想系の団体だと勘違いされるかも知れないので,補足します.
直接にはベトナム琉球文化工芸村のことを指しています(もちろん,他の団体・企業もあるでしょうが,当時はここを念頭に置いて投稿した).
これは沖縄県中小企業団体中央会による協業組合活動の一つである,琉球ガラス工芸協業組合が設立したもので,設置には行政の認可が必要な企業活動・投資活動です.
もっとも,過去にはこんな事件起しちゃってますが….
【質問】
枯葉剤使用は,多くのベトナム人(兵士やゲリラではない人間)を不当に虐殺する事となったのですか?
【回答】
枯葉剤で直接死んだ人間は殆どいない.
もちろん,今からでは考えられないくらい毒性の強い農薬だから,吸ったら死ぬけど.
それよりも,環境汚染で後に奇形児を多発させたり健康被害を広範囲に出した被害の方が大きかった,と言われる.
ただし,wikipediaの以下の記述にも見られるように,奇形と枯葉剤との因果関係は今に至るも不明.
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ベトナム戦争においてアメリカ軍は北爆を行ったが,その際ベトコンのゲリラ戦略に対抗する為に枯葉剤を使用した.
この枯葉剤には副産物としてジベンゾ-パラ-ダイオキシン類が含まれていた.
その異性体の一種である,2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-パラ-ダイオキシンは,ダイオキシン類で唯一発ガン性が確認されている.
しかし,現在に至るまでいかなるダイオキシン類においてもヒトに対し催奇形性が認められた例はなく,果たしてベトちゃんドクちゃんがダイオキシンが原因で奇形になったのか,今日に於いてもわかっていない.
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奇形は自然にも発生する.
人に対する催奇形性が実証された薬剤に曝露されていても,奇形の原因がその薬剤なのか,たまたま自然にできた奇形なのかは証明しにくい.
特異的で自然に発生しない種類の奇形なら別だが.そうなると蓋然性で判断するしかない.
自然にもごく普通に発生する奇形(たとえば兎唇)であれば,薬剤との因果関係は薄い.
稀な重度の奇形であり,動物での催奇性が実証された薬剤に高濃度にさらされていれば,因果関係は強く疑われる.
催奇性でなく,変異原性のみなら,蓋然性は少し薄くなる.
人での催奇性が実証されていれば,因果関係は強くなる.
とはいえ,この実証というのが問題で,疫学的に判断するしかない.
同じ環境でその薬剤にさらされたグループとそうでないグループを比較し,十分大きな人数で奇形の出生率に差があることを示す必要がある.
それは実際には不可能に近い.
シロートさんがよく勘違いするけど,医学的な因果関係というのは常に曖昧で,確言できることはまずない.
軍事板,2005/11/15(火)
青文字:加筆改修部分
例えば,サリドマイドによるアザラシ肢奇形の因果関係が掴めたのは,条件が大変良かったからに過ぎない.
使用者が多かったこと,
使用者の環境や人種がかなりそろっており,また把握可能だったこと.
サリドマイド内服以外は健康な妊娠出産過程を経たものが大半だったこと,
医学的な情報や,家系についての情報が,正確かつ豊富に入手できたこと.
アザラシ肢奇形自体,自然では殆ど(専門ではないので良くは知らないですが)見られないこと.
さらにサリドマイドを内服したかしないかの2つにクリアに分けることができたこと.
これらから正確な疫学的解析が可能になった.
対して,枯れ葉剤は多様な経路で人体に入るため,曝露の有無,量が不明確であり,ナパームなどの他の変異原性物質も使用されている.
妊娠出産自体,戦時でのことなのでトラブルがからむ.
医学的,家系的調査,情報も限定される上,米,ベトナム,それぞれ自己に有利な調査を行おうとする.
これらから有効な疫学データを得るのは困難と思われる.
【質問】
ベトナム戦争時,ベトコンとか北ベトナム軍は米軍から銃,戦車,ヘリとか鹵獲した場合は,それを使用したりしたのでしょうか?
【回答】
使用できるものは使用している.
ベトナム戦争中はヘリや飛行機はあまり事例無いですが,銃や車両なんかは積極的に活用している.
あと,南ベトナム軍は士気が低いので,鹵獲以外に横流しされたものもそれなりにある.
また,南ベトナムが敗北した時にまとめて手に入ったアメリカ製兵器を,ベトナム政府はカンボジア侵攻や中越紛争で使用している.
特に中越紛争の時は,アメリカ製兵器が活躍している.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%B6%8A%E6%88%A6%E4%BA%89
ただ,これは勝利によってまとまって手に入ったからであり,メンテ部品の不足や整備技師がいなくなったりで,徐々になくなった.
一説では,革命後のイランに流れたという話もある.
軍事板,2010/06/09(水)
青文字:加筆改修部分